PIRELLIがEVトラック時代に求めるタイヤ性能
― Pirelliが描く次世代物流とタイヤ技術 ―

2024年8月|海外動向
世界の物流業界では、環境規制の強化や脱炭素への取り組みを背景に、
EVトラックやハイブリッド商用車の導入が進みつつあります。
こうした変化の中で、車両性能と同様に重要視されているのが
**「タイヤが物流効率に与える影響」**です。
Pirelli(ピレリ)は、電動車向けに開発された「ELECT」技術を起点に、
EVトラック時代を見据えたタイヤ技術の進化を進めています。
EVトラックが直面する新たな課題
EVトラックは、CO₂排出量削減や静粛性といった利点を持つ一方で、
従来のディーゼルトラックとは異なる技術的課題を抱えています。
- バッテリー搭載による車両重量の増加
- モーター特有の瞬間的な高トルク
- 航続距離に直結するエネルギー効率
- 回生ブレーキによるタイヤ摩耗の偏り
これらの課題はすべて、
タイヤ性能が車両の実用性や運行効率を左右する重要な要素となります。
タイヤが左右するEVトラックの実用性
EVトラックにおいてタイヤは、単なる消耗品ではありません。
- 転がり抵抗の低減は航続距離の延伸に直結
- 発熱抑制はエネルギーロスの低減に寄与
- 摩耗の均一化はタイヤ寿命と運行コストの最適化につながる
そのため欧州を中心に、
EVトラックに最適化されたタイヤ設計の重要性が
車両開発と並行して注目されています。
ELECT技術が示す次世代タイヤの方向性
Pirelliが展開する「ELECT」技術は、
もともとEV・PHEV向け乗用車タイヤとして開発されました。
しかしその設計思想は、
高トルク対応、低転がり抵抗、発熱抑制、摩耗の最適化といった
EVトラックやハイブリッド商用車にも共通する課題解決を目的としています。
現在、欧州ではELECT技術で培われた
コンパウンド設計や構造思想が、
商用車向けタイヤ開発にも応用され始めています。
EVトラック普及前夜に進む技術開発
EVトラック市場は、今まさに本格普及を前にした移行期にあります。
この段階で重要なのは、
EVトラックが普及してから対応するのではなく、
普及前から技術的な準備を進めておくことです。
Pirelliは、
乗用車分野で実績を積んだ電動車対応技術を基盤とし、
将来の商用EV・ハイブリッド車を見据えた
タイヤ開発を継続しています。
日本の物流現場への示唆
日本国内においても、
EVトラックやハイブリッド商用車の実証導入が進み、
環境性能と経済性を両立させる運行モデルが模索されています。
こうした流れの中で、
燃費(電費)改善、CO₂排出量削減、
タイヤ寿命の最適化を支える要素として、
タイヤ選択の重要性は今後さらに高まると考えられます。
P-TBR JAPANの取り組み
P-TBR JAPANでは、
Pirelliトラックタイヤの技術背景やグローバル動向を踏まえ、
日本の物流現場に適した情報発信とサポートを続けてまいります。
本記事は、PROMETEON Tyre Groupが発信する公式サステナビリティ・レポートおよび、海外のタイヤ業界関連資料をもとに、P-TBR JAPANが日本市場向けに再構成・要約したものです。
PROMETEONおよびPIRELLIの技術的背景、ならびにグローバルでの取り組みを正しくお伝えするため、
信頼性の高い一次情報を参照しています。
2024.08.24